2010.06.28
vol.52 優しさの訓練

いよいよ本格的な夏が訪れようとしています。
京都の春と秋があまりにも素敵なので厳しい夏と冬に耐えられると言われていますがこの地に暮らしているとその通りだと思います。又、充実した春を過ごすとその年の夏は快適に過ごせるような気がします。

今春松本でのイベントは今夏を快適にしてくれる素晴らしい内容になりました。このイベントは、昨年ルドーテの本を頂いた時からスタートしたと言うことができるでしょう。その本には3月に松本美術館で行われるルドーテ展のことが書かれていました。

ルドーテの作品を花仲間に見ていただくチャンスだと松本の石川るみさんにイベントの企画をお願いいたしました。「松本市制100周年記念に100人集めてイベントをします。」と言いながら120名も集めてしまうパワフルな彼女は二つ返事で承諾してくれ難関である松本美術館の予約もあっという間に取ってくれました。全国からお集まりいただいたメンバーと楽しい時間を共有してイベントが終わった翌日、るみさんに「次回のイベントの候補場所に付き合ってください」と誘われました。もう次のイベントを考えている彼女のパワーに驚愕しました。

そこでは思いがけない出会いがありました。「森のおうち・絵本美術館」には 年前に出版した私の著書「英国風ウェディングの花」が飾られていました。ここではブライダルもされているそうで「その時参考にさせていただいているのですよ!」というスタッフの言葉に感激しました。

あれから3ヶ月も過ぎたのにあの時のお一人お一人の笑顔を思い出すと幸せな気持ちが溢れます。司馬遼太郎氏はこうおっしゃっています。

「いたわり」「他人の痛みを感じること」「やさしさ」みな同じような言葉である。もともと同じ根から出ているのである。しかし本能ではない。だから私たちは訓練してそれらを身に付けないといけないのである。あの時の花仲間は訓練をつんであのやさしさを身に付けられたのに違いない。スタッフ同士がお互いを思いやって少しでも、るみさんの負担を軽くするよう何度も話し合いを重ねておられる姿を見て確信しました。

そんなシーンをイベントの間中ずっと拝見することが出来たので幸せな気持ちが持続するのでしょう。この想いを大切に京都のこれからの暑い夏を乗り切ろうと思います。

松本の皆様本当にお世話になり有難うございました。

日英フラワーアレンジメント協会チェアーパースン かわべやすこ